アドバンス・ケア・プランニングとは ?
重篤な病状に陥り、医療処置や介護に関する自分の希 望を伝えることが出来なくなったら、誰に自分の意向を 代弁してもらいたいですか ? 何と伝えてもらいたいです か ?
重篤な病気や深刻な怪我をして、みずから医療的な判 断を下せなくなることがあります。これは年齢を問わ ず誰にでも起こりうることですが、特に人生の終末期 へ至る過程において、そういった意思決定能力を失う 可能性が高まります。 万一、みずからコミュニケーションを取ることが出来 なくなっても、「アドバンス・ケア・プラン (事前ケ ア計画書)」を作成しておくことで、自分が大切にし ている信念や価値観を他者に伝えることができるよう になります。
本人そして身近な人々にとってのメリット
アドバンス・ケア・プランニングは:
- 重篤な病状等で自身の意向を表せなくなっても、 医療処置や介護に関するみずからの希望を周囲に しっかり知らせ、それが今後のケアにおいて尊重 されるようにします。
- 身近な人々にとってもメリットがあります。アド バンス・ケア・プランニングを実施した個人の家 族は、代理として重要な医療的判断を求められた 時に体験する不安感やストレスのレベルが相対的 に低くなっているという研究結果が出ています。
代理決定者の役割とは ?
「アドバンス・ケア・プラン (事前ケア計画書)」を準 備するにあたり、プラン作成者は自分の代理決定者を 選定することができます。そして、医療・介護処置に 関する当人の意思決定能力が失われた時にはじめて、 代理決定者が当人に代わって判断を下すことになりま す。同計画書は、今後の医療や介護に関する指示やガ イダンスとして機能します。 州・準州によっては、複数の代理決定者を任命するこ とが出来ます。
具体的に何をすべきでしょうか ?
オープンに
- 現在および将来の医療処置や介護ケアに関する自 分の価値観や信念、希望について考え、話しまし ょう。
- 重篤な状態に陥り、自分の願いを述べることが出 来なくなった状況に備え、誰を自分の代理人とし たいか決め、その人物に「代理決定者」になる意 思はあるかどうかを確認しましょう。
代理決定者は以下の条件を満たしていること:
- 来院・来訪が可能な者 (同都市もしくは同地域 に居住していることが望ましい) もしくはすぐ 連絡がつく者
- 18 歳以上
- 医師やその他の医療従事者、家族との話し合いに 際し、必要に応じてあなたの意向をはっきりと支 持し、自信をもって擁護できる者
- 州・準州によっては、複数の代理決定者を任命す ることが出来ます。
備える
- 自分の価値観や信念、希望について、代理決定者 や自分のケアに携わる人々 (家族や友人、介護者・ 医師など) と話し合いましょう。
- 「アドバンス・ケア・プラン (事前ケア計画書)」 の作成にあたり、医療専門家の協力を仰ぐことは 特に必要条件でありませんが、総合診療医 (GP) や その他ケアに関わる医療関係者にも相談するよう お勧めします。そういった医療関係者からは、専 門的なアドバイスの他、希望する処置やケアを文 書化する上でサポートが得られます。また、オー ストラリアでは州・準州ごとに法的要件が異なる ことから、専門的な協力を仰ぐことが適切です。 書類の証人・立会人資格に関し、重要な要件を定 めている州・準州もあります。
伝える
- 自分の意向や希望を記録しましょう。各州・準州 の法律に関する情報は、advancecareplanning.org. auで確認できます。また書類 (フォーム) の記入に 関し、医師のサポートも受けられます。
- 「アドバンス・ケア・プラン(事前ケア計画書)」 もしくは「アドバンス・ケア・ディレクティブ ( 事前ケア指示書) 」を書面に残しておけば、必要 時、代理決定者が対応を進める上で役立ちます。 また、事前計画書や指示書によって、作成者本人 の希望が伝わり、尊重されると知っていれば、周 りの人すべてに安心感が生まれます。
指示書を複写の上、以下の場所に保管しましょう:
- 代理決定者のもと
- 総合診療医 (GP) 、かかりつけ医
- 専門医
- 居住系高齢者ケア施設
- 病院
- myagedcare.gov.au
上記の各々に複写を渡す必要はありませんが、代理決 定者と主な担当医には、必ず複写を渡すようにしてく ださい。
「アドバンス・ケア・プラン (事前ケア計画書)」もし くは「アドバンス・ケア・ディレクティブ (事前ケア 指示書)」を、豪政府ウェブサイト「マイ・ヘルス・レ コード (My Health Record)」(myhealthrecord.gov.au) へ アップロードし、オンライン上で保存しましょう。
「アドバンス・ケア・プラン (事前ケア計画書)」の内 容を定期的に見直しましょう。また、健康状態や個人 的な状況、居住環境に変化があった時にも同プランを 見直すことが必要です。
アドバンス・ケア・プランニングと法律
アドバンス・ケア・プランニングに関する法律は、オ ーストラリアの各州・準州によって異なります。将 来のケアについて計画を立てる際には、居住州・準 州の法律を理解しておくとよいでしょう。詳細は、 advancecareplanning.org.au をご確認ください。
各州・準州によっては:
アドバンス・ケア・プランニングに関する質問を、母 国語で行いたい場合は ?
市内通話電話料金 (携帯でかける場合は例外) で通訳サ ービスを利用することができます。以下の手順に従ってく ださい:
- 13 14 50へ電話する (月-金、午前 9 時-午後5時)。
- 言語を告げる (日本語)。
- 通訳に繋がるのを待つ (最大 3 分ほど待つ場合があ ります) 。
- 通訳に、アドバンス・ケア・プランニング・オーストラリ ア (Advance Care Planning Australia) の電話番号 (1300 208 582) に繋ぐよう依頼する。
- . 通訳を介して、スタッフやボランティアと会話する。
さらに詳しい情報を知りたい場合は ?
NATIONAL ADVANCE CARE PLANNING AUSTRALIA SUPPORT SERVICETM (全国問い合わせヘルプライン): 1300 208 582
Audio
日本語で情報をダウンロードしてください。
アドバンス・ケア・プランニング (個人用)
Advance Care Planning Australia
A fact sheet on advance care planning for individuals, in English and Japanese.
代理決定者用
Advance Care Planning Australia
A fact sheet on advance care planning for substitute decision-makers, in English and Japanese.
医 療・介 護 ス タッフ 用
Advance Care Planning Australia
A fact sheet on advance care planning for care workers, in English and Japanese.